税効果会計では、会計上の資産・負債の金額と税務上の金額に差が生じた場合、その差が将来どのように解消するかを検討します。この差を「一時差異」といい、「将来減算一時差異」と「将来加算一時差異」に分類します。
「将来減算一時差異」とは、その差異が将来解消するときに課税所得を減少させる効果を持つものです。代表例として、賞与引当金、退職給付引当金、貸倒引当金の損金算入限度超過額、減損損失などがあります。
例えば、会計上は賞与引当金1,000万円を費用計上していても、税務上は一定の要件を満たすまで損金にならない場合があります。その後、賞与を支給して税務上損金算入されれば、その年度の課税所得が減少します。このため、将来の税負担を軽減する効果が見込まれる部分について、原則として「繰延税金資産」を計上します。ただし、繰延税金資産は将来の課税所得等を踏まえ、回収可能性がある範囲で計上する必要があります。
一方、「将来加算一時差異」は、差異が解消するときに将来の課税所得を増加させる効果を持つものです。固定資産圧縮積立金や、その他有価証券の評価益などが代表例であり、原則として「繰延税金負債」を計上します。
なお、会計と税務で差が生じても、将来その差が解消しないものは「永久差異」であり、税効果会計の対象とはなりません。例えば、税務上永久に損金算入されない交際費等の一部などが該当します。
税効果会計では、単に会計と税務の差額を把握するだけでなく、その差が将来いつ、どのように解消し、課税所得を増減させるのかを整理することが重要です。
