社会福祉法人の会計は、一般企業の会計と同じく複式簿記を基礎としていますが、公益性の高い事業を行う法人であることから、決算書の構成や会計処理にはいくつか特徴があります。

大きな違いの一つが、作成する計算書類です。社会福祉法人では「資金収支計算書」「事業活動計算書」「貸借対照表」の3つを基本とします。事業活動計算書は企業会計の損益計算書に近く、1年間の収益・費用と純資産の増減を表します。一方、資金収支計算書は、支払資金の増減を示す社会福祉法人特有の重要な計算書類です。

また、資金収支計算書では、法人単位や拠点区分において予算額と決算額を対比します。一般企業以上に予算管理と決算との関係が会計制度に組み込まれている点が特徴です。

さらに、社会福祉法人では「社会福祉事業」「公益事業」「収益事業」などの事業区分、施設等を単位とする拠点区分、その下のサービス区分に分けて会計管理を行います。区分間で取引がある場合には、所定の計算書類を作成する過程で内部取引を相殺消去します。

純資産についても企業会計とは異なり、資本金や利益剰余金ではなく、「基本金」「国庫補助金等特別積立金」「その他の積立金」「次期繰越活動増減差額」などが表示されます。特に施設整備等のために受け入れた国庫補助金等については、一定額を国庫補助金等特別積立金として計上し、対象資産の減価償却等に対応して取り崩す処理が特徴的です。

社会福祉法人会計では、企業会計の知識だけでなく、こうした予算管理、区分経理、補助金等に関する独自のルールを理解することが、適正な決算を行うために重要です。

【参考】厚生労働省:社会福祉法人会計基準の構成と作成する計算書類等について

関連コラム:社会福祉法人会計基準とは