税効果会計では、貸借対照表に繰延税金資産・繰延税金負債を計上するだけでなく、その内容について財務諸表への注記が求められます。注記を見ることで、企業がどのような一時差異を抱え、将来の税負担をどのように見積もっているかを把握できます。

まず、繰延税金資産・負債について、発生原因別の主な内訳を開示します。繰延税金資産では、税務上の繰越欠損金、退職給付に係る負債、賞与引当金、減損損失などが代表例です。繰延税金負債では、その他有価証券評価差額金、圧縮積立金などが挙げられます。

また、繰延税金資産のうち回収可能性がないと判断して控除した評価性引当額も開示します。税務上の繰越欠損金が重要な場合には、繰越欠損金に係る評価性引当額と、それ以外の将来減算一時差異等に係る評価性引当額を区分します。評価性引当額に重要な増減が生じた場合には、その主な内容も説明します。

さらに、税引前利益に対する法人税等の実際の負担率と法定実効税率との間に重要な差異がある場合には、その原因を項目別に注記します。交際費等の永久差異、受取配当金の益金不算入、評価性引当額の増減、税額控除などが代表的な差異要因です。

そのほか、税制改正により税率が変更され、繰延税金資産・負債が修正された場合には、その旨と影響額を開示します。税効果会計の注記は、将来の税負担や繰延税金資産の回収リスクを理解するうえで重要な情報となります。

【参考】ASBJ:企業会計基準適用指針第28号 税効果会計に係る会計基準の適用指針

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