連結財務諸表は、親会社と子会社を一つの企業集団として表示するためグループ会社間の売上・仕入等の内部取引は相殺消去する必要があります。例えば、親会社が子会社へ商品を1,000万円で販売し、子会社が同額を仕入として計上している場合、連結上は売上高1,000万円と売上原価等1,000万円を消去します。企業集団の外部との取引ではないためです。
ここで実務上重要となるのが、「ダウンストリーム」と「アップストリーム」の違いです。ダウンストリームとは親会社から子会社への販売、アップストリームとは子会社から親会社への販売をいいます。内部取引そのものは、いずれも原則として全額消去する点に違いはありません。
一方、期末時点でグループ内に商品や固定資産が残っている場合には、そこに含まれる未実現損益も消去します。例えば、原価800万円の商品をグループ会社へ1,000万円で販売し、その商品が期末まで外部へ販売されていなければ、連結上、200万円の利益はまだ実現していません。このため、棚卸資産等を200万円減額し、利益を消去します。
特に注意が必要なのは、子会社に非支配株主が存在するアップストリーム取引です。子会社が売手の場合、未実現損益の消去額は、親会社持分と非支配株主持分に持分比率に応じて配分します。これに対し、親会社が売手となるダウンストリームでは、消去される利益は親会社側の損益に対応するため、非支配株主持分への配分は生じません。
連結決算では、単に売上と仕入を消去するだけでなく、期末在庫や固定資産に内部利益が残っていないか、非支配株主持分への影響はないか、さらに未実現利益の消去に伴う税効果会計の処理まで確認することが重要です。グループ内取引が増えるほど、取引相手・取引方向・期末残高を一覧化し、消去仕訳を体系的に管理することが正確な連結決算につながります。
【参考】ASBJ:企業会計基準第22号 連結財務諸表に関する会計基準
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