関連当事者の開示に関する会計基準及び関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針についてご説明します。

関連当事者との取引は、通常の第三者との取引条件とは異なった条件で行われる可能性が高く、関連当事者の存在が会社の財務状況や業績に重要な影響を与える可能性があるため、関連当事者との取引や関連当事者の存在を適切に情報開示することが本会計基準の趣旨です。

関連当事者の範囲
①親会社
②子会社
③財務諸表作成会社と同一の親会社をもつ会社
④財務諸表作成会社が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社
⑤関連会社及び当該関連会社の子会社
⑥財務諸表作成会社の主要株主(自己又は他人名義で議決権の10%以上を保有)及びその近親者
⑦財務諸表作成会社の役員及びその近親者
⑧親会社の役員及びその近親者
⑨重要な子会社の役員及びその近親者
⑩⑥から⑨に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社及びその子会社
⑪従業員のための企業年金(企業年金と会社の間で掛金の拠出以外の重要な取引を行う場合に限ります。)
なお、連結財務諸表上は、連結子会社を除き、個別財務諸表上は、重要な子会社の役員及びその近親者並びにこれらの者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社及びその子会社を除きます。

開示対象外の取引
役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払いは、開示対象外となります。

関連当事者の概要
関連当事者の概要には、名称又は氏名のほか、以下の内容を記載します。
(1)関連当事者が法人の場合には、所在地、資本金、事業の内容及び当該関連当事者の議決権に対する会社の所有割合又は財務諸表作成会社の議決権に対する当該関連当事者の所有割合
(2)関連当事者が個人の場合には、職業、財務諸表作成会社の議決権に対する当該関連当事者の所有割合

貸倒懸念債権及び破産更生債権等
関連当事者に対する債権が貸倒懸念債権及び破産更生債権等に該当する場合、以下の項目を開示します。
(1)債権の期末残高に対する貸倒引当金残高
(2)当期の貸倒引当金繰入額等
(3)当期の貸倒損失額

資金貸借取引、債務保証等及び担保提供又は受入れ
資金貸借取引、債務保証等及び担保提供又は受入れについて開示する場合には、以下の内容を記載します。
(1)資金貸借取引
資金の貸付取引又は借入取引がある場合、当期中の貸付金額又は借入金額を取引金額として記載し、当該取引の期末残高を記載します。
(2)債務保証等
保証債務等(被保証債務等)の期末残高を取引金額として記載します。
(3)担保提供又は受入れ
担保資産に対応する債務の期末残高を取引金額として記載します。

関連当事者の存在
親会社情報として、親会社の名称及び上場又は非上場の別を開示します。

重要性の判断基準
会社と関連当事者との取引のうち、重要な取引が開示対象となり、重要性の判断基準は以下の様になっています。
(連結)損益計算書項目に属する科目に係る関連当事者との取引
①売上高、売上原価、販売費及び一般管理費
売上高又は売上原価と販売費及び一般管理費の合計額の10%を超える取引
②営業外収益、営業外費用
営業外収益又は営業外費用の合計額の10%を超える損益に係る取引
③特別利益、特別損失
1,000万円を超える損益に係る取引

(連結)貸借対照表項目に属する科目の残高及びその注記事項に係る関連当事者との取引並びに債務保証等及び担保提供又は受入れ
①総資産の1%を超える取引
②資金貸借取引、有形固定資産や有価証券の購入・売却取引等について、取引の発生総額が総資産の1%を超える取引
③事業の譲受又は譲渡について、総資産の1%を超える取引

関連当事者が個人の場合
関連当事者が個人の場合、(連結)損益計算書項目及び(連結)貸借対照表項目等のいずれに係る取引についても、1,000万円を超える取引については、すべて開示対象となります。

【参考】企業会計基準委員会 企業会計基準第11号
関連当事者の開示に関する会計基準

【参考】企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第13号
関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針

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