外国株式の配当金には、現地国での源泉所得税徴収と日本での課税が行われるため、同一所得に対して二重に課税される構造となります。この二重課税を調整する制度が「外国税額控除」です。

1.二重課税の仕組み
例えば、米国株の配当金を受け取る場合、以下の課税が発生します。
米国:日米租税条約適用時の源泉税10%
日本:所得税・住民税の合計20.315%

このままでは同じ所得に対して二重課税となるため、日本の税額から外国税額を控除する仕組みが設けられています。

2.外国税額控除の概要
外国税額控除とは、外国で課された所得税に相当する税額を、日本の所得税から控除する制度です。
計算式のイメージは以下の通りです。
控除限度額 = 所得税額 ×(国外所得 ÷ 総所得)
この限度額の範囲内で、外国で納付した税額を控除できます。

外国税額控除の利用にあたっては、総合課税、または申告分離課税が選択されている場合で確定申告が必要になります。

3.適用にあたっての留意点
(1)控除しきれない場合
外国税額が多い場合、控除しきれないことがあります。
この場合は、繰越控除(3年間)、繰戻し(前年への適用)が可能です。

(2)証明書類の保存
外国税額控除を適用するには、配当計算書、年間取引報告書の保存が必要です。

(3)特定口座でも申告が必要
証券会社で源泉徴収されていても、外国税額控除を受けるには確定申告が必要です。

(4)住民税との関係
所得税で外国税額控除を適用しても、住民税では適用されないケースがあります。

外国株投資が一般化している現在、外国税額控除の適用判断はますます重要になっています。適切な制度理解に基づき、最適な申告方法を選択することが求められます。

【参考】国税庁:居住者に係る外国税額控除

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