法人税は一般的には、利益に対して課税されます。しかし、大企業については、たとえ赤字であっても一定の税負担を求める制度が存在します。それが外形標準課税です。正式には法人事業税の一部として導入されている制度であり、企業規模に応じた負担を求めることを目的としています。
1.外形標準課税とは何か
外形標準課税とは、所得(利益)だけではなく、会社の規模そのものに着目して課税する制度です。
通常の法人事業税は、所得に対して課税されますが、外形標準課税では、人件費、支払利息、資本金が課税ベースとなります。
2.なぜ導入されたのか
この制度の背景には、赤字でも社会インフラを利用しているという考え方があります。
つまり、道路、行政サービス、社会基盤を利用している以上一定の負担を求めるべきという趣旨です。
3.対象となる法人
外形標準課税の対象は、原則として資本金1億円超の法人です。
中小企業(資本金1億円以下)は、原則対象外となります。
4.外形標準課税の構成
外形標準課税は主に以下で構成されます。
(1)付加価値割
以下を基礎として計算されます。
報酬給与額、支払利息、賃借料などの企業活動の規模を示す部分に応じて課税されます。
(2)資本割
資本金等の額を基礎に課税されます。
(3)所得割
通常の法人事業税部分です。
5.実務上の重要ポイント
(1)赤字でも税負担発生
赤字でも、付加価値割、資本割が発生します。
(2)人件費増加の影響
給与増加により、付加価値割増加となる可能性があります。
(3)資本金減資との関係
実務では、1億円以下への減資により、外形標準課税対象外へ移行するケースもあります。
外形標準課税は、利益以外にも課税、資本金1億円超法人が対象、赤字でも税負担発生という特徴があります。
外形標準課税は、儲けではなく企業規模に対する課税という制度です。
大企業では、法人税だけでなく外形標準課税が実効税率へ大きく影響します。特に人件費政策や資本政策とも関係するため、単なる地方税ではなく、経営戦略と一体で検討することが重要といえるでしょう。
