収益認識に関する会計基準では、企業が約束した財又はサービスを顧客に移転し、履行義務を充足した時、または充足するにつれて収益を認識します。つまり、売上をいつ計上するかを判断する重要なステップです。

履行義務の充足は、「一定の期間にわたり充足されるもの」と「一時点で充足されるもの」に分けて判断します。

一定の期間にわたり収益を認識するのは、①企業が履行するにつれて顧客が便益を享受する場合、②企業の履行によって資産が生じたり価値が増加し、その過程で顧客が当該資産を支配する場合、③企業の履行によって他に転用できない資産が生じ、かつ履行済み部分について対価を受け取る強制力のある権利を有する場合、のいずれかに該当するときです。継続的なサービス契約や一定の工事契約などが代表例です。

この場合、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積り、その進捗度に応じて収益を認識します。進捗度の測定には、作業の達成度などに基づく方法や、発生原価など投入量に基づく方法があります。

これらの要件に該当しない場合には、財又はサービスに対する支配が顧客へ移転した一時点で収益を認識します。判断にあたっては、代金を請求する権利、法的所有権、物理的占有、所有に伴うリスクと経済価値、顧客による検収などを総合的に検討します。

履行義務の充足時期を誤ると、売上の期間帰属そのものが変わります。契約書に記載された納品日や請求日だけで判断せず、顧客への支配の移転実態を確認することが重要です。

【参考】ASBJ:企業会計基準第29号 収益認識に関する会計基準

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