税率差異分析とは、税引前当期純利益に対する法人税等の負担率と法定実効税率との差が、どのような原因によって生じているかを分析するものです。税効果会計では、両者に重要な差異がある場合、その主な原因を財務諸表に注記します。
例えば、税引前利益が1億円、法定実効税率が30%であれば、単純計算では税金費用は3,000万円となります。しかし、実際の税金費用が3,500万円であれば、実際の税負担率は35%となり、5%の差異が生じます。この5%がなぜ発生したのかを分析するのが税率差異分析です。
代表的な原因の一つが、永久差異です。交際費の損金不算入額や役員給与の損金不算入額などは、会計上は費用であっても税務上は永久に損金とならないため、税負担率を上昇させます。反対に、受取配当金の益金不算入額などは税負担率を低下させる要因となります。
また、繰延税金資産の回収可能性に関する評価性引当額の増減も重要です。将来の課税所得見込みが悪化して繰延税金資産を取り崩した場合には、法人税等調整額が増加し、実際の税負担率が上昇します。このほか、税額控除、住民税均等割、海外子会社との税率差、税率変更なども差異要因となります。
税率差異分析は、単なる注記作成のためだけではありません。毎期の差異要因を継続的に分析することで、税金費用の異常値や税効果会計の処理漏れを発見し、将来の実効税率を予測するうえでも有用です。
