自己新株予約権とは、会社が自ら発行した新株予約権を取得し、保有しているものをいいます。新株予約権を発行した会社が、市場での買付けや取得条項などによって自社の新株予約権を取得した場合には、自己新株予約権として会計処理します。

自己新株予約権を取得した場合、その取得価額は、原則として取得した自己新株予約権の時価に取得時の付随費用を加えて算定します。自己新株予約権の取得は、新株予約権者との損益取引と考えられますが、取得時点では、その後に消却するのか、再び処分するのかが確定していないため、原則として取得時には損益を認識しません。

取得後の自己新株予約権は、取得原価による帳簿価額を、貸借対照表の純資産の部に計上されている「新株予約権」から原則として直接控除します。間接控除する場合には、新株予約権の直後に「自己新株予約権」として表示します。

その後、自己新株予約権を消却した場合には、消却した自己新株予約権の帳簿価額と、それに対応する新株予約権の帳簿価額との差額を自己新株予約権消却損として当期損益に計上します。

一方、保有していた自己新株予約権を第三者へ処分した場合には、受取対価と自己新株予約権の帳簿価額との差額を処分損益として認識します。

自己新株予約権は自己株式と名称が似ていますが、会計上の考え方は同一ではありません。取得目的、取得価額、対応する新株予約権の帳簿価額、その後の消却・処分まで継続して管理することが、適切な会計処理を行ううえで重要です。

【参考】ASBJ:企業会計基準適用指針第17号 払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理

関連コラム:自己新株予約権の税務