システム開発費について、「会計上費用にしたから、税務上もそのまま損金になる」と考えてしまうことがあります。しかし、自社利用ソフトウェアでは、会計と法人税で資産計上の判断基準が異なるため注意が必要です。

会計上は「将来の効果が確実か」がポイント

自社利用ソフトウェアは、その利用による将来の収益獲得または費用削減が確実と認められる場合に、無形固定資産として計上します。一方、その効果が確実とはいえない場合や不明な場合には、会計上は費用処理することになります。資産計上した場合の耐用年数は利用可能期間を基礎とし、原則として5年以内です。

税務では資産計上の範囲が広くなることも

法人税では、ソフトウェアを購入した場合だけでなく、自社制作の場合も、原材料費、労務費、経費などを取得価額に含めることが原則です。特に重要なのは、自社利用ソフトウェアについて、将来の収益獲得や費用削減につながるか「不明」である場合です。会計上は費用処理となり得ますが、税務上は、効果がないことが明らかな場合等を除き、取得価額への算入が必要となります。

税務上の耐用年数は、通常のソフトウェアは5年、複写して販売するための原本や研究開発用ソフトウェアは3年です。

決算処理だけで判断しないことが重要

この違いにより、会計上は開発費として一括費用処理していても、法人税申告ではその一部を加算し、ソフトウェアとして減価償却するケースがあります。

ソフトウェア開発額が大きい会社では、契約書や請求書を確認し、研究開発、開発・制作、導入設定、保守などに区分したうえで、会計処理と税務処理をそれぞれ検討することが重要です。決算後にまとめて判断するのではなく、開発段階から経理・税務担当者と整理しておくことが、申告誤りの防止につながります。