法人や個人事業主が、従業員を雇って給与を支払う場合や税理士、弁護士、司法書士等の専門家に報酬を支払う場合には、支払の都度、支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引く必要があります。

法人は必ず源泉徴収義務者になりますが、個人事業主は従業員を雇っていない(あるいは雇用しているのが常時2人以下の家事使用人のみ)場合を除き源泉徴収義務者となります。

報酬・料金などの支払いを受ける者が個人の場合に以下の報酬が、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する対象になります。
・原稿料や講演料など
・弁護士、公認会計士、司法書士などの、特定の資格を持つ人に支払う報酬・料金
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・プロ野球選手、プロサッカー選手、プロテニス選手、モデル、外交員などに支払う報酬または料金
・芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金
・ホテル、旅館などで行われる宴会などにおいて接待を行うコンパニオン、接客業を行うホステスなどに支払う報酬や料金
・プロスポーツ選手の一時に支払う契約金など
・広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

源泉徴収の実務に関しては、毎年、国税庁から「源泉徴収のしかた」、「源泉徴収のあらまし」が公表され、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税を源泉徴収の計算方法が記載されています。

なお、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則、給与や報酬を実際に支払った月の翌月10日までに所轄税務署に納める必要があります。

給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を半年分まとめて納めることができる納期の特例を「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出することにより採用することができます。

納期の特例を採用した場合には、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は翌年1月20日が納付期限となります。

【参考】国税庁:源泉徴収が必要な報酬・料金等とは


【参考】国税庁:源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

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