ふるさと納税の制度概要
ふるさと納税は、自分の選んだ市町村に寄附を行い、その寄附額のうち2,000円を越える部分について、一定の上限金額まで所得税及び翌年の住民税から原則として全額が控除される制度です。

節税メリット
返礼品を用意している市町村に寄附をした場合には、2,000円を自己負担して実質的に所得税及び住民税の前払いを行うことで、返礼品を取得できます。現時点で還元率の良い市町村へ寄付をした場合に、実質負担額2,000円を超える返礼品を入手できるため、キャッシュではなくモノとなりますが、個人の節税メリットがあります。また、地方の名産品として高級な食材、地酒、商品券、旅行券、ゴルフ券等様々な返礼品が用意されています。
本来は、自分の生まれ故郷を盛り上げるためにできた制度ですが、市町村のふるさと納税獲得競争(返礼品競争)が過熱しています。総務省が、高額な返礼品を規制するような方針を打ち出そうとしており、還元率の良い返礼品を取得できるうちにふるさと納税を実施しておくべきです。

税額控除限度額の算定方法
ふるさと納税額の税額控除限度額は以下の算式で算定されます。
・所得税
控除額=(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率×1.021
※総所得額等の40%が上限
・住民税基本分
控除額=(ふるさと納税額-2,000円)×住民税率10%
※総所得額等の30%が上限
・住民税特例分
控除額=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-基本分10%-所得税率×1.021)
※住民税所得割額の20%が上限
なお、復興特別所得税を加えた税率で算出します。

税額控除を受けるための手続
ふるさと納税の寄附金について、税額控除を受けるためには、原則寄附をした年度の確定申告を行う必要があります。
しかし、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である場合で、そもそも確定申告の不要な給与所得者であれば、ふるさと納税を行った各自治体に申請することで完結し、確定申告が不要となるふるさと納税ワンストップ特例制度が設けられています。
なお、以下の方は、ふるさと納税ワンストップ特例制度の対象外となり、確定申告が必要となりますのでご注意ください。
・自営業
・6か所以上の自治体へふるさと納税をした会社員や公務員
・住宅ローン控除の初年度や医療費控除で確定申告が必要な方

住宅ローン控除やその他の所得控除や税額控除を併用している場合には、ふるさと納税の税額控除限度額が小さくなりますので、限度額のシミュレーションをしっかりと実施してください。

【参考】総務省:ふるさと納税

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