合併とは、複数の会社を一つの会社に統合する組織再編手法です。既存会社が他の会社を吸収する「吸収合併」と、新たに会社を設立する「新設合併」があります。会計処理を検討する際には、合併の法的形式だけでなく、その企業結合が「取得」に該当するのか、「共通支配下の取引」に該当するのかを判定することが重要です。
例えば、資本関係のないA社がB社を吸収合併し、A社が会計上の取得企業となる場合には、原則としてパーチェス法を適用します。A社は、B社から受け入れる識別可能な資産・負債を合併日時点の時価を基礎として計上し、取得対価をこれらの資産・負債に配分します。
取得対価が受け入れた純資産の時価を上回る場合、その差額は原則として「のれん」となります。日本基準では、のれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたり規則的に償却するとともに、必要に応じて減損の検討を行います。反対に負ののれんが生じた場合には、資産・負債の時価や取得原価の配分を再確認したうえで、なお生じる差額を利益として処理します。
一方、親会社と子会社の合併など、同一の企業グループ内で行われる合併は「共通支配下の取引」に該当することがあります。この場合、企業グループ全体として支配関係が変わっていないため、移転する資産・負債は原則として合併直前の適正な帳簿価額を引き継ぎ、新たなのれんを認識しないことが基本となります。
合併の実務では、存続会社がどちらかだけで会計処理を判断することはできません。取得企業の判定、取得対価の算定、資産・負債の時価評価、のれん、税効果会計などを合併前から整理しておくことが、適切な会計処理を行うために重要です。
