企業が社会貢献や取引先との関係維持を目的として支出する金銭や物品は、一見すると通常の費用のように思われがちです。しかし、法人税法上はこれらの支出が寄附金と認定されると、損金算入に厳しい制限がかかります。

1.寄附金の定義

法人税法上の寄附金とは、対価を伴わない経済的利益の供与をいいます。
具体的には、金銭の無償提供、資産の低額譲渡、債務の免除などが該当します。

2.損金算入の制限
寄附金は原則として、一定の限度額までしか損金算入できません。
この限度額は、資本金等の額、所得金額に応じて計算されます。

一般寄附金の限度額
{(期末の資本金の額および資本準備金の額の合計額または出資金の額) ×当期の月数を12で割った数×1,000分の2.5+所得の金額×100分の2.5}×4分の1=損金算入限度額
資本金等と所得の双方を基準にした計算式となり、超過部分は損金不算入となります。

3.寄附金の種類
(1)一般寄附金
通常の寄附であり、損金算入に制限があります。
(2)指定寄附金
国や地方公共団体への寄附などは、全額損金算入可能です。
(3)特定公益増進法人への寄附
公益性の高い法人への寄附は、別枠で損金算入可能です。
{(期末の資本金の額および資本準備金の額の合計額または出資金の額)×当期の月数を12で割った数×1,000分の3.75+所得の金額×100分の6.25}×2分の1=特別損金算入限度額

4.実務上の重要ポイント
(1)交際費との区分
取引先への支出が、寄附金か交際費かで取扱いが大きく異なります。
(2)低額譲渡のリスク
例えば、市価より著しく低い価格で資産を譲渡した場合、差額が寄附金と認定される可能性があります。
(3)グループ内取引
親子会社間での資金移動も、寄附金認定の対象となるため注意が必要です。

寄附金は企業活動において避けられない支出ですが、その税務上の取扱いは厳格です。支出の目的や取引内容を正確に整理し、適切に区分することが、税務リスクの回避と最適な税務戦略につながるといえるでしょう。

【参考】国税庁:寄附金の範囲と損金不算入額の計算

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