東京プロマーケット(TOKYO PRO Market、以下TPM)と本則市場の違いは、上場の難易度だけではありません。ここでは、プライム・スタンダード・グロースの一般市場と比較し、上場を検討する際のポイントを整理します。
投資家層と資金調達の違い
一般市場では個人を含む幅広い投資家が参加しますが、TPMで直接買付けができるのは、特定投資家や非居住者に限られます。一般投資家は市場での買付けができません。そのため、資金調達や株式の売却を目的とする場合には、買い手の確保や売買の成立可能性を慎重に検討する必要があります。
数値基準ではなく、企業の実態を確認
TPMには、株主数・流通株式・利益額などの数値基準がありません。一方、東証が認証するJ-Adviserが上場適格性を調査・確認し、上場後も開示などを助言・指導します。
ただし、数値基準がないことは、審査がないことではありません。企業規模に応じた内部管理体制や、予算管理、関連当事者取引の管理、適切な情報開示が求められます。
監査・開示の負担は異なる
上場前に必要な監査対象期間は、一般市場が最近2年間であるのに対し、TPMは最近1年間です。また、一般市場で必要な四半期決算短信や内部統制報告書は、TPMでは原則として任意です。
もっとも、監査期間が短いことを、決算の準備を省略できると捉えるべきではありません。公認会計士の視点では、期首残高の裏付けや会計方針の整理、決算資料の整備を早期に進めることが重要です。
「上場しやすさ」より「上場後の目的」
TPMは、信用力の向上、社内体制の強化、将来の一般市場上場に向けた準備など、多様な目的で活用される市場です。
資金調達の必要性、維持費用、管理部門の体制を踏まえ、「上場後に何を実現したいか」から選択することをお勧めします。J-Adviserと監査人それぞれの役割を理解し、早い段階から準備を進めましょう。
