M&Aにおいて、仲介会社やアドバイザーへ支払う成功報酬の算定方法として広く用いられているのがレーマン方式です。取引金額に応じて一定の料率を段階的に適用する仕組みであり、シンプルで分かりやすい一方、計算対象の定義によって報酬額が大きく変わるため、契約時の確認が重要となります。
1.レーマン方式の概要
レーマン方式とは、取引金額に応じて料率を段階的に適用する成功報酬の計算方法です。
具体的な例示としては、以下のような料率体系のものです。
(例)取引金額:料率
5億円以下:5%
5億円超〜10億円以下:4%
10億円超〜50億円以下:3%
50億円超〜100億円以下:2%
100億円超:1%
金額が大きくなるほど料率が下がる逓減構造となっています。
2.計算方法のポイント
重要なのは、どの金額を基準に計算するかです。
主な考え方としては株式譲渡価格のみ、企業価値(株式価値+有利子負債)、移動総資産ベースがあります。
この違いにより、報酬額が大きく変動するため、契約書の確認が不可欠です。
3.実務上の重要ポイント
(1)最低報酬の設定
多くの契約では、最低報酬額(例:2,000万円など)が設定されています。
小規模案件でも一定額の報酬が発生する点に注意が必要です。
(2)中間報酬の有無
成功報酬とは別に、着手金、中間金、が設定される場合があります。
(3)税務上の取扱い
M&A報酬は原則として、取得関連費用として資産計上(株式取得の場合)となるケースが多く、損金算入の可否には注意が必要です。
(4)利益相反のリスク
レーマン方式は、取引金額が大きいほど報酬が増えるため、不要な高値交渉、スキーム誘導といった利益相反のリスクも指摘されています。
レーマン方式は、M&A報酬の代表的手法で逓減料率による計算によるものです。報酬計算の基準金額の定義が重要になります。
M&Aは一度の取引で多額の資金が動くため、報酬設計の影響も大きくなります。契約締結前に計算方法を正確に理解し、想定外のコストを防ぐことが重要といえるでしょう。
