法人が他の法人から配当金を受け取った場合、その全額が課税対象になるわけではありません。これは、配当の原資となる利益が既に支払法人で法人税の課税を受けているため、受取側で再度課税すると二重課税となるからです。この問題を調整する制度が受取配当金の益金不算入です。
1.制度の概要
受取配当金の益金不算入とは、法人が受け取った配当金の一部または全部を課税対象から除外する制度
です。
2.不算入割合の考え方
不算入の割合は、株式の保有割合によって異なります。
(1)完全子会社株式等(100%)
100%益金不算入
(2)関連法人株式等(1/3超)
原則100%益金不算入
※ただし負債利子控除あり
(3)その他株式(5%超〜1/3以下)
50%益金不算入
(4)5%以下の株式
20%益金不算入
3.実務上の重要ポイント
(1)負債利子控除
一定の株式については、対応する負債利子相当額を控除する必要があります。
(2)区分管理
株式の保有割合ごとに、適切な区分管理が必要です。
(3)みなし配当との関係
自己株式の取得などによるみなし配当も対象となるため注意が必要です。
配当はもらった金額ではなくどれだけ課税されるかが重要です。
グループ会社間の配当政策や投資戦略において、益金不算入の取扱いは税負担に直結します。保有割合や資金調達との関係を踏まえ、最適な資本政策を設計することが重要といえるでしょう。
