持分法を適用している関連会社との間で商品や固定資産を売買した場合、取引によって生じた利益が期末時点で実現しているかを確認する必要があります。企業集団の外部に資産が売却されていない場合、その利益の一部は未実現利益として連結財務諸表上消去します。

例えば、投資会社が原価800万円の商品を、30%出資する関連会社へ1,000万円で販売し、その商品が期末まで関連会社に残っていたとします。投資会社では200万円の利益が計上されていますが、持分法上は、その30%に相当する60万円を未実現利益として消去します。関連会社の残り70%は他の株主に帰属するため、通常の連結子会社との取引のように200万円全額を消去するわけではない点が特徴です。

投資会社から持分法適用会社への販売をダウンストリームといいます。この場合、未実現利益の消去額は、原則として売手である投資会社の売上高等の損益項目と、関連会社に対する投資の額を修正します。

反対に、持分法適用会社から投資会社への販売をアップストリームといいます。この場合には、関連会社が計上した利益のうち投資会社の持分相当額が持分法による投資利益に含まれているため、持分法による投資損益と、投資会社が保有する棚卸資産等を修正します。

実務では、持分法適用会社との取引額だけでなく、期末時点で商品や固定資産がどこに残っているかを把握することが重要です。また、未実現損益の消去には税効果会計も適用されます。持分法適用会社との取引が多い企業では、取引方向、持分比率、期末残高を一覧化し、決算時に未実現利益の有無を漏れなく確認する体制を整えることが重要です。

【参考】ASBJ:企業会計基準第16号 持分法に関する会計基準

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