製造業では、製品を作るために材料費、人件費、工場の減価償却費や光熱費など、さまざまなコストが発生します。これらを適切に集計し、製品ごとの原価を計算する際の基本的な考え方を示したものが原価計算基準です。
原価計算基準では、原価計算の目的として、財務諸表の作成、価格計算、原価管理、予算の編成・統制、経営の基本計画への情報提供という5つを掲げています。つまり、原価計算は単に決算書を作るためだけではなく、製品の採算管理やコスト削減、販売価格の検討など、経営管理にも利用されるものです。
製造原価は、一般に材料費、労務費、経費に分類され、さらに特定の製品へ直接ひも付けられる直接費と、複数の製品に共通して発生する間接費に区分します。製造間接費については、製造部門などへ集計したうえで、操業度や作業時間など合理的な基準によって各製品へ配賦します。
また、生産形態によって計算方法も異なります。受注ごとに異なる製品を製造する場合には、個別原価計算、同じ製品を大量・連続生産する場合には、総合原価計算が用いられます。実際に発生した原価を計算する実際原価計算のほか、あらかじめ標準となる原価を設定し、実際原価との差異を分析する標準原価計算もあります。
原価計算は、棚卸資産や売上原価の金額を左右するため、財務諸表の適正性にも直接影響します。自社の製造工程や生産形態に合った計算方法を採用し、配賦基準や標準原価を定期的に見直すことが、正確な決算と有効な原価管理につながります。
