成年後見人に選任された場合、財産管理の一環として確認しておきたいのが、成年被後見人本人の確定申告です。成年後見人になったからといって必ず確定申告が必要になるわけではなく、本人の所得状況によって申告の要否を判断します。
例えば、本人に公的年金のほか、不動産所得、事業所得、株式の譲渡所得などがある場合には、確定申告が必要となることがあります。成年後見人は、預金通帳、年金の源泉徴収票、不動産の収支資料、証券会社の取引報告書などを整理し、本人の所得と必要経費を把握しておくことが重要です。
また、医療費や介護サービスの利用が多い場合には、医療費控除の対象となる支出がないか確認します。社会保険料、生命保険料、寄附金などについても、控除の適用漏れがないよう資料を保存しておく必要があります。
成年後見人は本人の法定代理人として税務上の手続を行う場面がありますが、所得の種類が多い場合や不動産・有価証券を保有している場合には、税理士へ申告書作成を依頼することも有効です。税理士が税務代理を行う場合には、税務代理権限証書を提出して申告手続を行います。
なお、家庭裁判所の審判により成年後見人自身が受け取る後見報酬は、被後見人の所得ではなく、受け取った成年後見人側の所得として課税関係を検討する必要があります。
さらに、成年被後見人が亡くなった場合、成年後見人の権限は原則として終了し、その後の所得税については相続人が準確定申告を行うことになります。成年後見業務では、日頃から収入・支出と税務資料を整理しておくことが、適切な財産管理と円滑な確定申告につながります。
