近年の会計基準の国際的な動向を踏まえ、日本においてもリース会計の見直しが進められており、いわゆる「新リース会計基準」では、借手側の会計処理に大きな変更が予定されています。本改正の最大のポイントは、従来オフバランスとされていたオペレーティング・リースについても、原則としてオンバランス処理が求められる点にあります。
1.改正の背景
従来の日本基準では、リース取引は、ファイナンス・リースはオンバランス、オペレーティング・リースはオフバランスと区分されていました。
しかし、この区分により、実質的に資産・負債があるにもかかわらず貸借対照表に反映されないという問題が指摘されていました。これを受け、国際基準(IFRS16)と同様に、借手のリースは原則オンバランスとする方向で見直しが行われました。
2.新基準の概要
新リース会計基準では、借手は原則としてすべてのリースについて、使用権資産(Right-of-Use Asset)、リース負債を計上します。
(1)初期認識
リース開始時に、リース料の現在価値を基礎として負債を計上し、同額を使用権資産として認識します。
(2)事後測定
使用権資産は減価償却により費用化され、リース負債は支払時に利息法により費用計上されます。
従来の賃借料は「減価償却費+支払利息」に分解されます。
3.実務への影響
(1)財務指標への影響
オンバランス化により、総資産の増加、負債の増加、EBITDAの増加といった影響が生じます。
(2)契約の見直し
リースの定義や期間、更新オプションの判断が重要となり、契約内容の精査が必要となります。
(3)システム対応
リース料の現在価値計算や再測定など、継続的な管理が必要となるため、会計システムの対応も求められます。
4.適用除外(簡便措置)
すべてのリースが対象となるわけではなく、短期リース、少額資産リースについては、従来どおり費用処理が認められる予定です。
リースは契約ではなく資産と負債として管理する時代へ移行します。
新基準への対応は、単なる会計処理の変更にとどまらず、契約管理や経営指標にも影響を及ぼします。早期の準備と体制整備が重要といえるでしょう。
