相続手続において最初に行うべき重要な作業が相続人の確定です。相続人の確定を誤ると、遺産分割協議が無効となったり、後から新たな相続人が判明して手続をやり直すリスクがあるため、慎重に進める必要があります。

相続人の確定は、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて収集し、その記載内容を時系列で確認することで行います。戸籍には婚姻、離婚、養子縁組、認知などの履歴が記録されているため、これらを網羅的に確認することで、法定相続人を漏れなく把握することができます。

具体的な収集手順としては、まず被相続人の死亡時の本籍地の市区町村役場で「除籍謄本」や「改製原戸籍」を取得します。そこから一つ前の戸籍にさかのぼり、さらに前の戸籍へと連続的に取得していきます。これを繰り返し、最終的に出生時の戸籍までたどることが必要です。転籍を繰り返している場合は複数の自治体に請求することになるため、郵送請求を活用すると効率的です。

戸籍の収集においては、「漏れなく」「連続して」取得することが重要です。途中で戸籍が抜けてしまうと、相続人の見落としにつながる可能性があります。また、兄弟姉妹が相続人となるケースでは、被相続人の両親の戸籍まで確認する必要があり、収集範囲が広がる点にも注意が必要です。

最近では、法務局が発行する「法定相続情報一覧図」を活用することで、戸籍一式の提出を省略できる場面も増えています。これは戸籍に基づいて相続関係を一覧化した書類で、金融機関や不動産手続で有効に利用できます。

相続人の確定は専門性が高く、戸籍の読み解きにも慣れが必要です。不安がある場合には、税理士や司法書士などの専門家に依頼することで、手続の正確性と効率を高めることができます。正確な相続人の確定は、その後のすべての相続手続の基盤となるため、丁寧に進めることが重要です。

【参考】国税庁:財産を相続したとき

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