退職給付会計では、貸借対照表や損益計算書に計上される金額だけでなく、その計算内容や前提についても注記が求められます。退職給付債務は長期的な見積りに基づくため、財務諸表利用者が企業の退職給付制度や将来負担を理解できるようにすることが目的です。
確定給付制度では、まず退職一時金制度や確定給付企業年金など、企業が採用している制度の概要を記載します。また、退職給付債務について、期首残高から勤務費用、利息費用、数理計算上の差異、退職給付の支払額などを反映して期末残高へ至る調整表を開示します。
年金資産についても、期首残高に期待運用収益や事業主からの拠出額、数理計算上の差異などを反映した期末残高までの増減内容を示します。さらに、退職給付債務と年金資産が、貸借対照表上の退職給付に係る負債または退職給付に係る資産にどのようにつながっているかも開示します。
損益面では、勤務費用、利息費用、期待運用収益、数理計算上の差異や過去勤務費用の処理額など、退職給付費用の内訳を示します。連結財務諸表では、その他の包括利益に計上された数理計算上の差異等についても開示します。
また、年金資産の株式・債券等の構成割合や、割引率、長期期待運用収益率、重要な予想昇給率などの計算基礎も重要な注記事項です。
退職給付会計の注記を作成する際には、年金数理計算書、ワークシート、仕訳、財務諸表の各数値を相互に照合し、増減理由まで説明できるようにしておくことが重要です。
