短期譲渡と長期譲渡の違い

不動産を売却した際の税金は、「短期譲渡」と「長期譲渡」のどちらに該当するかによって大きく異なります。この区分を正しく理解することは、税負担を把握するうえで非常に重要です。

まず区分の基準ですが、不動産の所有期間によって判定されます。具体的には、「売却した年の1月1日時点」で所有期間が5年以下であれば短期譲渡、5年を超えていれば長期譲渡となります。ここで注意したいのは、取得日から単純に5年ではなく、あくまで1月1日時点で判定する点です。例えば、2018年6月に取得した不動産を2023年7月に売却した場合でも、2023年1月1日時点では所有期間が5年以下のため、短期譲渡に該当します。

税率の違いも大きなポイントです。短期譲渡の場合は、所得税・住民税を合わせて約39%と高率で課税されます。一方、長期譲渡であれば約20%となり、税負担は大きく軽減されます。この差は非常に大きく、売却時期を少し調整するだけで数百万円単位の税額差が生じることもあります。

また、居住用財産の売却であれば、3,000万円の特別控除などの特例が適用できる場合がありますが、短期・長期の区分自体はこれらの特例とは別に判定されます。そのため、特例の適用とあわせて、所有期間の確認も必ず行う必要があります。

実務上は、「あと数ヶ月待てば長期になる」というケースも多く見られます。不動産売却はタイミングの影響が大きいため、売却を急ぐ前に税務面のシミュレーションを行うことが重要です。

短期譲渡と長期譲渡の違いを理解し、適切な売却時期を見極めることで、無駄な税負担を回避することができます。不動産の売却を検討する際には、事前に税理士へ相談し、最適な判断を行うことをおすすめします。

【参考】譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

関連コラム:不動産譲渡所得に関する取得費

納税管理人の選任について

 非居住者は、確定申告書の作成・提出、税務署からの書類の受け取り、納税や還付金の受領等の納税義務を果たすために納税管理人を定める必要があります。

 非居住者の所得のうち、日本国内で発生した一定の所得については、引き続き日本の所得税が課税されます。
 一般的に非居住者が①~④の所得が一定額以上ある場合、確定申告書を提出する必要があります。

①日本国内にある資産の運用または保有により生じる源泉徴収されない所得
②日本国内にある資産の譲渡により生じる所得
③日本国内の不動産所得
④日本国内にある営業所を通じて締結した保険契約に基づく一時金

 また、相続税・贈与税、固定資産税の納税義務がある場合には、納税管理人を定める必要があります。

 納税管理人を定めたときには、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に所得税・消費税の納税管理人の届出書を提出します。

国税庁:海外勤務と納税管理人の選任

居住者と非居住者の区分について

所得税法では、「居住者」を国内に住所を有するか、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人を指し、「居住者」以外の個人を「非居住者」としています。

住所は個人の生活の本拠を指し、生活の本拠かどうかを客観的事実によって判定することになります。

なお、国内に居住することとなった個人が、以下の①か②に該当する場合に、国内に住所を有する者と推定されます。
①国内において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有する
②日本国籍を有し、かつ、国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、国内において継続して一年以上居住するものと推測するに足りる事実がある

また、国外に居住することとなった個人が、以下の①か②に該当する場合に、国内に住所を有しない者と推定されます。
①国外において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有する
②外国の国籍を有しまたは外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないことその他国内における職業および資産の有無等の状況に照らし、再び国内に帰り、主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がない

国税庁:居住者と非居住者の区分

iDeCoについて

iDeCoは、20歳以上65歳未満の方が、自ら拠出した掛金を運用し、資産を形成する年金制度です。掛金は65歳になるまで拠出可能で、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができます。

iDeCoのメリット
・掛金全額が小規模企業共済等掛金控除として、所得控除の対象となります。
・金融商品の運用益が非課税で再投資されます。
・年金として受け取る場合の税優遇があります。年金として受け取る場合には公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象となります。
年金と一時金の併用も可能です。

iDeCoのデメリット
・まとまったお金が必要な時期が生じても、60歳まで資産を引き出せません。また、途中解約不可です。
・運用状況によって、資産が増減するため、元本割れするリスクがあります。
・口座維持手数料等の各種手数料が必要になります。

参考:iDeCo(イデコ)公式サイト

関連コラム:フリーランスのための節税方法

顧問税理士を探す際のポイント

顧問税理士を探す際のポイントを簡単にご紹介致します。

①仕事が早く、期日内に余裕をもって決算や申告を終える。
→申告期限内に仕事が終わらなければ、延滞税等クライアントに迷惑が掛かってしまいます。
②幅広く経営に関する相談ができる。
→資金調達、管理部門の悩み、会社や事業の将来に向けた話ができるか、そもそも気軽に相談できるかは重要かと思います。
③経理の業務改善、節税に関する相談ができるか。
→会計ソフト含む経理周辺のITに詳しいかも判断要素かと思います。
④会社の規模感に応じた会計事務所であるか。
→スタートアップの会社が、オーバースペックな大きな事務所に依頼すると税理士報酬が高くなります。また、規模の大きな会社で複雑な会計処理、税務処理がある場合に小規模な事務所で対応しきれないおそれがあります。

税理士が直接担当してくれるか、担当する税理士と相性が良いかも重要なポイントです。