電子申告のメリット

e-Taxは、国税庁が提供する国税電子申告・納税システムです。

e-Taxで確定申告をするメリット
①確定申告書類を紙面に印刷して郵送や税務署に持参する必要はなく、申告期間中は24時間いつでも提出可能になっています。

②e-Taxで電子申告をすると、紙の申請では添付が必要な書類の提出が省略できます。
例えば、以下の様な書類です。
・給与所得者の源泉徴収票
・社会保険料控除の証明書
・生命保険料控除の証明書
・地震保険料控除の証明書
・2年目以降の住宅ローン控除の借入金年末残高証明書
・医療費控除の領収書
・寄付金控除の証明書

③還付される税金がある場合、e-Taxでの確定申告は還付のスピードが速いです。
一概には言えませんが、e-Taxでの電子申告では3週間程度で還付が処理されますが、書面での提出においては還付まで1ヶ月から1ヶ月半の時間がかかります。

④青色申告事業者がe-Taxの電子申告を実施した場合、65万円の青色申告特別控除を適用できます。

国税庁:インターネットを利用して申告や納税などの手続をしたいとき

関連コラム:税務調査とは

医療費控除について

医療費控除は、支払った医療費が一定額を超えるときに所得控除を受けることができるものです。

医療費控除の対象

医療費控除の対象となる医療費は次のものです。
①自己または自己と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費。
②確定申告対象年度に支払った医療費。(未払いの医療費は、実際に支払った年度の医療費控除の対象です。)

医療費控除の対象となる金額
以下の算式で計算されます。
「実際に支払った医療費の合計額」-「保険金などで補てんされる金額」-「10万円」

ただし、総所得金額等が200万円未満であれば、総所得金額等の5パーセントの金額が医療費控除の金額になります。

美容医療に関しては、原則として医療費控除の対象外です。
美容整形手術、シミ取りやニキビ跡の治療等の美容整形外科、ホワイトニング、自由診療の歯列矯正等の美容歯科での美容医療は医療費控除の対象外となります。

関連コラム:セルフメディケーション税制について

国税庁:医療費を支払ったとき(医療費控除)

プロスポーツ選手・アスリートの確定申告

プロダクション、所属クラブ、事務所等に所属し、雇用契約を結んだ上で給料を受け取るプロスポーツ選手・アスリートは給与所得者になります。

プロダクション、所属クラブ、事務所等とマネジメント契約、業務委託契約等の名称で契約を結んでいれば、報酬は事業所得の収入になり、個人事業主として確定申告が必要になります。

プロスポーツ選手・アスリートで個人事業主に該当する方は、法人化したほうが節税効果が大きい場合があります。

プロスポーツ選手・アスリートの経費としては以下の様なものが挙げられます。

・試合、出演、練習のための交通費や宿泊費
・ボール、スパイク、クラブ、トレーニングウェアの競技用、練習用の道具代
・パソコン等の事務機器
・トレーニング機材の購入費
・トレーニングのための交通費や施設利用料

新NISAについて

2024年からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、個人の資産形成を大きく後押しする制度として注目されています。税理士の視点から見ると、「非課税メリットをいかに長期で最大化できるか」が最も重要なポイントです。

新NISAの最大の特徴は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能になった点と、非課税保有期間が無期限化された点です。これにより、年間最大360万円、生涯投資枠1,800万円までの投資について、運用益や配当が非課税となります。従来制度と比較して、長期投資に非常に適した仕組みへと進化しました。

税務上のメリットは明確です。通常、株式や投資信託の利益には約20%の税金がかかりますが、新NISAを利用すればこの課税が一切ありません。例えば、1,000万円の運用益が出た場合、本来であれば約200万円の税負担が発生しますが、新NISAではこれがゼロになります。長期で見れば、その差は非常に大きなものとなります。

一方で、注意点もあります。新NISAは損益通算や繰越控除ができないため、課税口座とのバランスを考えた運用が必要です。また、短期売買を繰り返すと非課税枠を有効活用できないため、基本は長期・分散投資が前提となります。

おすすめする活用方法は、まず「つみたて投資枠」で安定的な投資信託を積み立て、その上で余力があれば「成長投資枠」で個別株やETFを組み合わせる戦略です。これにより、リスクを抑えつつリターンの最大化を図ることができます。

新NISAは、単なる投資制度ではなく「税制優遇を活用した資産形成ツール」です。制度の特徴を正しく理解し、長期的な視点で活用することが、資産を効率的に増やすための鍵となります。

【参考】金融庁:NISAを知る:NISA特設ウェブサイト

関連コラム:iDeCoの2026年12月改正

短期譲渡と長期譲渡の違い

不動産を売却した際の税金は、「短期譲渡」と「長期譲渡」のどちらに該当するかによって大きく異なります。この区分を正しく理解することは、税負担を把握するうえで非常に重要です。

まず区分の基準ですが、不動産の所有期間によって判定されます。具体的には、「売却した年の1月1日時点」で所有期間が5年以下であれば短期譲渡、5年を超えていれば長期譲渡となります。ここで注意したいのは、取得日から単純に5年ではなく、あくまで1月1日時点で判定する点です。例えば、2018年6月に取得した不動産を2023年7月に売却した場合でも、2023年1月1日時点では所有期間が5年以下のため、短期譲渡に該当します。

税率の違いも大きなポイントです。短期譲渡の場合は、所得税・住民税を合わせて約39%と高率で課税されます。一方、長期譲渡であれば約20%となり、税負担は大きく軽減されます。この差は非常に大きく、売却時期を少し調整するだけで数百万円単位の税額差が生じることもあります。

また、居住用財産の売却であれば、3,000万円の特別控除などの特例が適用できる場合がありますが、短期・長期の区分自体はこれらの特例とは別に判定されます。そのため、特例の適用とあわせて、所有期間の確認も必ず行う必要があります。

実務上は、「あと数ヶ月待てば長期になる」というケースも多く見られます。不動産売却はタイミングの影響が大きいため、売却を急ぐ前に税務面のシミュレーションを行うことが重要です。

短期譲渡と長期譲渡の違いを理解し、適切な売却時期を見極めることで、無駄な税負担を回避することができます。不動産の売却を検討する際には、事前に税理士へ相談し、最適な判断を行うことをおすすめします。

【参考】譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

関連コラム:不動産譲渡所得に関する取得費