世界各地の投資家から、サステナビリティ情報開示関連の法整備に対する要求が増し、上場企業の情報開示に大きな変更が求められています。
時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業を対象に、2027年3月期からサステナビリティ基準委員会(SSBJ)の基準に従ったサステナビリティ情報の開示が義務化される予定です。段階的に範囲を拡大し、2028年3月期から時価総額1兆円~3兆円未満の企業が、2029年3月期から時価総額5,000億円~1兆円未満の企業がサステナビリティ情報の開示の義務化がなされる案が示されています。
それぞれ、サステナビリティ情報が義務化となる翌事業年度から、時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業であれば2028年3月期から、開示内容を担保するための保証が求められる予定です。
令和7年度の所得税の基礎控除の見直し
令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除、給与所得控除が見直しされ、特定親族特別控除が新設されました。
令和7年分以後の所得税について適⽤され、令和7年12月に行う年末調整に影響が生じます。
1.基礎控除の見直し
以下のように、合計所得金額に応じて、基礎控除額が改正されました。
合計所得⾦額132万円以下:95万円(改正前:48万円)
合計所得⾦額132万円超336万円以下:88万円(令和9年分以後は58万円)(改正前:48万円)
合計所得⾦額336万円超489万円以下:68万円(令和9年分以後は58万円)(改正前:48万円)
合計所得⾦額489万円超655万円以下:63万円(令和9年分以後は58万円)(改正前:48万円)
合計所得⾦額655万円超2,350万円以下:58万円(改正前:48万円)
2.給与所得控除の見直し
給与所得控除は、最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。
3.特定親族特別控除の新設
居住者が特定親族(居住者と生計を一にする年齢19歳から23歳未満の親族)を有する場合には、その居住者の総所得金額から、その特定親族1⼈につき、その特定親族の合計所得金額に応じて63万円を控除する特定親族特別控除が新設されました。
ふるさと納税の2025年10月からの変更点
2025年10月からふるさと納税の制度改正が施行され、ふるさと納税の仲介サイト(さとふる、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税等の納税ポータルサイト)は、ふるさと納税の寄付に対してポイントの付与を行うことができなくなります。
仲介サイトへの手数料への自治体の財政負担が大きいことやポイント付与に係わる競争が過熱し、ふるさと納税本来の趣旨から逸れてきていることが理由とされています。
ふるさと納税をクレジットカードで支払った場合には、クレジットカードのポイントは従来通り付与されます。
返礼品に加えてワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とするルールが適用されることで、経費が占める割合が増えて、返礼品の占める割合が減る可能性があります。
加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認めるとされ、他県産の肉や米を加工した製品を返礼品に設定する自治体の返礼品が変更されることとなります。
防衛特別法人税の税効果会計への影響
日本の防衛力強化の財源を安定的に確保するために防衛特別法人税が創設されました。防衛特別法人税は、2026年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
防衛特別法人税の課税対象となるのは、基準法人税額です。基準法人税額は、課税所得に法人税率を乗じて計算される所得控除後・税額控除前の法人税額です。
基準法人税額から年間500万円の基礎控除を差し引いて、4%の税率を乗じて防衛特別法人税を算出します。
資本金1億円以下の中小法人の場合では、所得が2,400万円程度までであれば、防衛特別法人税は発生しない見込みです。
なお、法定実効税率の算定式も変更が生じます。
法定実効税率={法人税率×(1+地方法人税率+防衛特別法人税率+住民税率)+事業税率+事業税率(標準税率)×特別法人事業税率}÷(1+事業税率+事業税率(標準税率)×特別法人事業税率
東京都の大法人では法定実効税率が30.62%から31.52%へ変更されることになります。
参考 ASBJ:防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(案)
参考 ASBJ:<補足文書> 2025年3月期決算における令和7年度税制改正において創設される予定の防衛特別法人税の税効果会計の取扱いについて
四半期報告書の廃止について
令和5年改正金融商品取引法により、2024年4月1日から上場会社の第1・第3四半期の四半期報告書が廃止され、その代わりに第2四半期の半期報告書の提出が義務付けられることになりました。
四半期決算は証券取引所の四半期決算短信に一本化されます。
第1・第3四半期において、決算短信と四半期報告書の両方を作成する実務負担が上場会社ではなくなります。
第1・第3四半期決算短信に含まれる四半期財務諸表等の監査人によるレビューは、原則任意となりました。
以下の場合には、第1・第3四半期決算短信の監査人によるレビューが義務付けられます。
・直近の有価証券報告書、半期報告書、四半期決算短信が無限定適正意見以外の場合
・直近の内部統制監査報告書が無限定適正意見以外の場合
・直近の内部統制監査報告書に開示すべき重要な不備がある場合
・当初の期限内に有価証券報告書、半期報告書が提出されない場合
・直近の半期報告書の訂正を行う場合で、レビュー報告書が添付される場合
税務研究会が2024/8/26に公表した情報によると、上場企業の四半期短信(2,498社)を調査した結果、レビュー報告書を添付した企業は611社(24.5%)であるとのことです。
また、売上高の大きい企業ほど、任意で決算短信にレビュー報告書を添付している割合が高いようです。
