ふるさと納税の2025年10月からの変更点

2025年10月からふるさと納税の制度改正が施行され、ふるさと納税の仲介サイト(さとふる、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税等の納税ポータルサイト)は、ふるさと納税の寄付に対してポイントの付与を行うことができなくなります。
仲介サイトへの手数料への自治体の財政負担が大きいことやポイント付与に係わる競争が過熱し、ふるさと納税本来の趣旨から逸れてきていることが理由とされています。
ふるさと納税をクレジットカードで支払った場合には、クレジットカードのポイントは従来通り付与されます。

返礼品に加えてワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とするルールが適用されることで、経費が占める割合が増えて、返礼品の占める割合が減る可能性があります。

加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認めるとされ、他県産の肉や米を加工した製品を返礼品に設定する自治体の返礼品が変更されることとなります。

参考:総務省 ふるさと納税の次期指定に向けた見直し

参考:総務省 ふるさと納税に係る指定制度について

関連コラム:ふるさと納税制度の概要と節税効果について

支払調書の概要について

企業や個人事業主が外部へ報酬や料金を支払った場合、その内容を税務署へ報告するために作成する書類が支払調書です。支払調書は単なる事務書類ではなく、税務署が所得の把握や申告漏れ確認を行うための重要資料となっており、提出漏れや記載誤りは税務リスクにつながる可能性があります。

1.支払調書とは何か
支払調書とは、一定の支払内容を税務署へ報告する法定調書です。
代表的なものとして、
•報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
•不動産の使用料等の支払調書
•不動産等の譲受けの対価の支払調書
などがあります。

2,なぜ提出が必要なのか
税務署は支払調書を利用して、誰がいくら収入を得たかを把握しています。
例えば、フリーランスへの報酬について支払調書が提出されることで、
報酬の受取側の申告漏れの確認が可能となります。

4.提出対象となる主な支払
特に実務で頻出なのは、士業・フリーランス等への報酬です。
例えば、
•税理士報酬
•弁護士報酬
•デザイナー報酬
•講演料
などが該当します。

4.提出期限
支払調書は原則として、翌年1月31日までに税務署へ提出します。
同時に、法定調書合計表の提出も必要です。

5.実務上の重要ポイント
(1)源泉徴収との関係
支払調書の対象となる支払は、源泉徴収が必要なケースが多いため、源泉所得税の徴収漏れ、源泉所得税の納付漏れにも注意が必要です。
(2)マイナンバー管理
支払調書には、マイナンバー記載が必要な場合があり、適切な管理体制が求められます。
(3)提出不要=作成不要ではない
税務署提出基準未満でも、受取人への交付や社内管理のため作成するケースがあります。

支払調書は、税務署が所得を把握する入口です、
支払調書は、単なる形式的な書類ではなく、税務調査や申告内容確認にも直結する重要書類です。日頃から支払内容を整理し、源泉徴収と合わせて適切に管理することが、税務リスクの回避につながるといえるでしょう。

【参考】国税庁:法定調書(源泉徴収票、支払調書)

関連コラム:法定調書とは

税務調査とは

税務調査と聞くと、多くの経営者や個人事業主は不安を感じるかもしれません。しかし、税務調査は必ずしも不正を疑って行われるものではなく、申告内容が適正かどうかを確認するための通常の手続です。もちろん、誤った処理や申告漏れがあれば追徴課税の対象となるため、日頃から適切な帳簿管理を行うことが重要です。

1.税務調査とは何か
税務調査とは、税務署が納税者の申告内容を確認する手続です。
対象となるのは、
•法人税
•所得税
•消費税
•相続税
など多岐にわたります。

2.税務調査の種類
税務調査には大きく分けて、
(1)任意調査
最も一般的な調査であり、事前連絡のうえ実施されます。
(2)強制調査
悪質な脱税が疑われる場合に行われるものです。国税局査察部(いわゆるマルサ)が担当します。

3.実務上よく確認されるポイント
(1)売上計上漏れ
税務調査で最も重視されるのは、売上の計上漏れです。
特に、現金商売、個人口座との混同は、重点的に確認されます。

(2)経費の妥当性
次に問題となるのが、私的支出の混入です。
交際費、 旅費、社用車などは実態確認が行われやすい分野です。
(3)消費税
近年は、インボイス制度との関係で、仕入税額控除、請求書保存も重要な確認項目となっています。

4.税務調査で重要なこと
(1)帳簿・証憑の保存
領収書・請求書・契約書などの整理が非常に重要です。
(2)説明できること
税務では、合理的に説明できるかが極めて重要です。
(3)事前準備
税理士と事前に論点整理を行うことで、不要なトラブルを回避できます。

税務調査対策とは特別なことではなく、日頃の適正処理そのものが必要になります。
税務調査は突然始まるものではありますが、日々の帳簿整理や証憑管理を適切に行っていれば、過度に恐れる必要はありません。普段から説明できる経理を意識することが、最大の税務調査対策といえるでしょう。

【参考】国税庁:税務調査手続に関するFAQ

パススルー課税について

パススルー課税は、投資ファンドなどでキャピタルゲインや配当金などの利益を得ても、投資ファンドでは課税されず、利益配分を受けた出資者や構成員に課税されるものです。パススルー課税は、構成員課税とも呼ばれます。

投資ファンドに課税が行われると、出資者に課税後の利益が分配されることになり、その分配金に対してもさらに所得税が課税されるという二重課税が発生します。投資効率が大幅に低下することがないように、一定の法制度に基づいて設立された組合においてはパススルー課税が適用されます。

パススルー課税の対象としては、有限責任事業組合(LLP)、投資事業有限責任組合(LPS)、任意組合が挙げられます。

また、J-REITのような投資法人(「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づいて設立される法人。)においては、配当可能利益の90%超を分配する等の要件を満たせば、配当等の額を損金算入でき、結果的に法人税は課税されないため、実質上パススルー課税と同様です。

【参考】国税庁:パス・スルー課税のあり方-組合事業における組合員の課税関係とその諸問題-

医師の確定申告

勤務医の場合

雇用契約になりますので、所得税の計算上は給与所得の区分になります。

年収が2,000万円を超える病院にお勤めの医師は確定申告が必要になります。

非常勤や単発アルバイト等で複数の病院に勤務している医師は、年末調整を行っていない2か所目の勤務先からの収入が年間20万円を超えていれば、所得税の確定申告が必要です。

開業医の場合

開業医は事業所得として所得税の確定申告が必要になります。
開業医の事業所得の計算上の収入は、以下の3つに分類されます。
・社会保険診療報酬と国民健康保険診療報酬による「保険診療収入」
・保険適用外の「自由診療収入」
・医療行為以外の「雑収入」

社会保険診療報酬が5,000万円以下である場合に、所得税の計算上、実際の必要経費の金額に関わらず、概算経費を必要経費等に算入することができます。自由診療報酬も含めたその年の収入金額が7,000万円を超えた場合には対象外になります。

社会保険診療報酬 概算経費率の速算表
2,500万円以下 ×72%
2,500万円超3,000万円以下 ×70%+50万円
3,000万円超4,000万円以下 ×62%+290万円
4,000万円超5,000万円以下 ×57%+490万円

国税庁:社会保険診療報酬の所得の計算の特例